Episode
〜実話に近い話劇場〜
「エンジニア冥利につきる」編
「え、最終更新10年前のサイト…!?」
入社して数年、システム関連のことなら大体出来るようになった頃。
エンジニアEに営業から助けを求める声が。
「このサイト、バグってるみたいなんだけど、誰も触れる人がいなくて...」
そうかそうか、ちょっと見せてみなさい。
確かにおかしい。画面を見れば分かるレベルだった。
ならばソースコードを見てみよう。
「え、最終更新が10年前...??」
誰も触れる人がいないとは、正確には誰も知らないということだ。
最後の担当者から引き継がれることもなく、
誰にもメンテナンスされず、
バグを抱えたままサービスを提供し続けてきたのである。
「めちゃくちゃじゃないか、よく今日まで動いてたなぁ」
思わず口に出しながらも、引き受けたからには完遂させなければならない。
少しずつソースコードを紐解き、バグの原因を探す。
ロジック的に意味不明なところや、現在は非推奨とされる書き方が存在し、調査は難航。
それでも何時間か掛けてようやくバグの原因を見つけた。
営業に報告し、調査と修正の工数を伝えようとすると...。
「実はこんな不具合もあって...」
まだまだ戦いは終わらないのである。